君と一緒に歩きたい
あれから竹村は,いたずらで告白をした女性全員に謝ったそうだ.
そのうちの一人である私は,まだ竹村を許していない.
「そろそろ,お怒りをお収めください.」
バーガーショップで,手を合わせてお願いされる.
今週末は食事で,先週末は映画で,先先週末は水族館.
竹村のご機嫌取りの旅は,いつまでも続いている.
私はつんとすまして,怒っている振りをした.
「許しません,一生ね!」
「そんなぁ……,」
情け無い竹村の声を聞いて,私は思わず吹き出して笑ってしまった.
――END(赦し)
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